鉄の話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
JIS規格

唐突ですが私は環境コンサルタントという仕事をしていますが(怒らないで下さい)一方一級熱処理技能士でもあります。

肩書的には岡山県認定ものつくりマイスターであります。といっても一級資格と15年以上の経験があり一定の指導歴があれば審査は通ります。

前職では熱処理の検査や機械検査、品質管理、品質保証業務、中国工場からの受け入れチェック及び部品進捗、安全活動など幅広く担当しておりました。

で長年の激務に耐えかね退職して今に至るという経緯があります。

ちなみにこれ何だと思いますか?

これはFCD450相当の金属組織写真です。

でこれが

FCD600相当の組織写真です。

真ん中の黒い丸が黒鉛でその周りの白いところがフェライトつまり純鉄です。

下の写真は地が黒く覆われていますがこれはパーライトという組織でそこまで硬くなく柔軟な性質をもつものでA1変態点727℃を超えオーステナイトという状態になりその温度から徐冷されて生じます。

では2つの材料は何が違うの?

それは伸びや引っ張り強度、降伏限界などの機械的性質です。

それはどうやって測るの?

同じ湯でこしらえたテストピースを試験機にかけるか表面硬さで比較します。素材はブリネル硬度計という測定器ではかりJISの規格数値に照らし合せて判定します。

だから外観等の見た目ではまず判別出来ません。だから間違えて2種類を同じパレットに入れてしまったら全ての部品の硬さを測り選別するしかないのです。

あとメーカーによって各社スペックが有りそれはJISとは異なる基準をうたっているものも多いのです。

では大口取引先が10社有りそれぞれ違う基準をうたっているとしてそれがバッチ処理だとしたら何処に合わせたらいいの?

という事になるのですが哀しいかなそれは取引のボリュームで合わせるしか有りません。

だからとあるメーカーの基準で造ったら他のメーカーの規格からは外れてしまうという事が起こりうるのです。

なので一般的には数値が外れたからNGという事になるのですがそれが使えないかどうかという事に関しては別問題なのです。

これはナイーブな問題であり何処の企業も多かれ少なかれこのような悩みを抱えているのだと思います。

不正をしたから悪いと決めつけるのではなく何故不正をしてしまったのかという事を突き詰め真の原因を見つけそれを一つ一つ丁寧に改善していくしかないのです。

…話がそれてしまいましたが

…それにしてもテレビや新聞を見ていて最近は日本を代表する企業の不正のニュースが多い気がします。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA